雷で家の中が停電して暗闇の中、ブレーカが落ちていないか確認する。そんな体験はありますか? 電気を使いすぎてブレーカを飛ばしてしまった。そんな体験もありますか? でも、そもそもなぜブレーカが落ちる必要があるのか正しく理解していますか? 家庭で意図的にブレーカを飛ばすなんてことなかなかできませんので、シュミレーターで確認してみましょう。
住宅用分電盤シミュレーター|電気の使いすぎ・漏電・雷サージのブレーカ動作を体験!

シュミレータはこのような分電盤をイメージしています。
契約ブレーカ→漏電ブレーカ→安全ブレーカの順に接続されています。
契約ブレーカ(アンペアブレーカー)
- 家全体での「契約電気量のオーバー(使いすぎ)」を防ぐ
- 契約アンペア(例:30A=3000W)を超えて電気を使うと作動する
近年はスマートメーター内蔵型に移行し、分電盤から省略されるケースも増えています)
電気料金には色々なプランがありますが、契約したアンペア数で基本料金が決まってきますので、それを超えて電気が使えてしまったらまずいですよね。
漏電ブレーカー(漏電遮断器/ELB)
- 「漏電(感電・火災のリスク)」及び「主幹の過電流」を防ぐ
- 電気の「行き」と「帰り」の差(漏れ電流)を検知したとき、または主幹の定格容量(OC付の場合)を超えたときに作動
漏電はその名の通り、電気が漏れること。
地絡という言い方もします。基本的にブレーカから送った電流は、もとのブレーカに戻ってきます。
電流が戻ってこない = 電気が漏れている。
漏れている場所に触れたら感電し、下手をすれば死亡する可能性があります。送りの電流と返りの電流の差を見て、一定以上の差があった場合に漏電していると判断し、ブレーカを落として保護します。
「OC」とは、英語の Over Current(オーバー・カレント=過電流)で、住宅用分電盤に載っている漏電ブレーカーのほとんどは「OC付」です。
安全ブレーカー (配線用遮断器/MCCB)
- 各部屋・各回路ごとの「使いすぎ(過電流)」や「ショート(短絡)」を防ぐ
- 担当する回路(例:キッチンのコンセントなど)で20A(2000W)を超えたり、短絡(ショート)事故が起きたときに作動
例えば、AC100Vのコンセントの間を線でつないだら
どうなりますか? (ショートする、短絡する)
線の抵抗は、ほとんどありません。0.1Ωとしましょう。
電流(A) = 電圧(V) ÷ 抵抗(Ω) = 100V ÷ 0.1 = 1000A
抵抗に電流が流れると熱を持ちます。(ジュールの法則)
コンセントに電気を届けている線(ケーブル)にも抵抗はあり、熱を持ちます。
大きな電流が流れれば流れるほど、熱量も多くなる。
するとどうなりますか?
熱でケーブルが溶けたり、燃えたりするんですか?
そうですね。ケーブルだけで済めばまだ良いのですが、周りに飛び火したら火災になってしまいます。電気は便利な反面、危険度が高いものです。なのでブレーカは非常に大切です。
保護協調(ほごきょうちょう)とは
例えばですけど、コンセントでショートさせちゃった場合ってすごく大きな電流が流れると思うんですけど、どのブレーカが落ちるんですか?
コンセントを担当しているブレーカがまず落ちます。
主幹(大元)のブレーカが落ちてしまったら、家中が停電してしまいますよね。故障・事故が発生した箇所に最も近い下位の遮断器を落とす(トリップする)ように設計されています。
下位の分岐ブレーカーは、上位の主幹ブレーカーよりも電流に対する感度や応答時間を早く設定しておくことで、下位が先にトリップするようになっています。これは家庭の中だけでなく、電力会社を含めた電気設備全体で言えることで、できる限り狭い範囲(下位)の遮断にとどめて、他の正常な回路への停電(波及事故)を防ぐ仕組みになっています。
これを保護協調と呼びます。
著者の体験談 : 漏電はなかなか厄介です。昔、納入機器内部の電源装置の経年劣化にて絶縁不良が発生し漏電ブレーカが落ちたという現象がありました。この納入機器へ電源供給している分電盤内のブレーカは配線用遮断器にて漏電遮断は出来ず、主幹の漏電遮断器が落ちた形です。主幹が落ちましたので、その配下の配線用遮断器に接続されているコンセントやら何やらすべてが落ちてフロアが停電してしまいました。連絡を貰って、絶縁抵抗計で不良箇所を探し、電源装置の不良を特定。後に電源交換にて漏電は解消しましたが、初めにフロア一体が停電したという連絡を貰った時はなかなかに焦りましたね・・


電気、車、飛行機など、便利なものはリスクも大きい。いずれも死の危険を伴う物。でも便利だから使っている。車も事故で人が亡くなる悲しいこともあるけど、でも車は無くならない。飛行機も然り。電気も然り。危険なものを扱うには免許が必要で、電気の工事や保守もそれに該当します。でも一般の人も知っておいたほうが良いと思います。電気の便利さも怖さも。







