電気通信工事にて使用するケーブルには様々な種類があります。ケーブルの種類は後回しにして、まずは構造から。初めてケーブルに触れる方はコードとケーブルの違いって何? 単線とより線って何? という所からスタートだと思います。どんなことに注意するのかも含め見てみましょう。
コードとケーブルの違い
電気で使用する電線ですが、ケーブルと言ったりコード言ったりしますが違いって分かりますか?
家庭で使うドライヤーなど電気製品はコードで呼びますよね。何が違うのですか?
コードは絶縁電線を束ねる保護外被がなく、柔軟で折り曲げやすいため、
家電製品の電源コードなど、家電とコンセントの間の「移動電線」として使われています。
ケーブルは保護外被があるため、機械的な強度と耐久性が高く、
屋内や屋外での使用や固定された配線として使われています。


電線の単線、より線について
まず、大きく電線の導線部分の構造で2パターンあります。


単線
例) VVFケーブル 照明、コンセント等の屋内電気配線に使われます。
表記例) VVF1.6-2C 1.6は直径 1.6mm、2Cの2は芯線数を示します
より線
例) CVケーブル 電気通信機器の電源線として使われます。
表記例) CV3.5sq-2C 3.5は断面積 3.5mm2、3Cの3は芯線数を示します。
sq (スケ)は mm2(断面積)を示します。
sqは、Square(スクエア) : 2乗の略です。
ここで表す直径、断面積の数値は、導線部分の寸法であり、ケーブルの外径ではないので注意してください。
ケーブルとしての太さはどこでわかるんですか?
製造メーカの仕様を見ましょう。導線の太さ、芯数によりケーブルの太さは異なってきます。同一種のケーブルであったとしてもメーカー毎に多少の差異はあります。
発注側から、日本産業規格(JIS)に準拠したケーブルを使用することが施工の条件となっている場合もあります。(官公庁など)
大手ケーブルメーカが製造するケーブルはJISに準拠しているものが多いですが、確認は必要ですね。
電線の太さと許容電流
許容電流を越えてケーブルを使用すると発熱、焼損する恐れがあり、最悪は火災に繋がります。ケーブルは必ず許容電流を考えて選定しましょう。
電気工事士でよく使用するVVFケーブル(単線)に関しては、工事士のテキストにも情報がありますが、より線の場合はどうなんですか?
ケーブルの種類毎で異なってきますので、メーカーの仕様書で許容電流値を確認したり、内線規定で確認したりします。但し、毎回確認するのは手間ですし、ある程度余裕をもった目安を設定している所も多いと思います。
許容電流と導線の太さ(参考程度)
| 許容電流[A] | 太さ[mm2] |
| 1A以下 | 0.2sq |
| 2A以下 | 0.3sq |
| 4A以下 | 0.5sq |
| 6A以下 | 0.75sq |
| 10A以下 | 1.25sq |
| 15A以下 | 2sq |
| 20A以下 | 3.5sq |
| 30A以下 | 5.5sq |
| 40A以下 | 8sq |
| 60A以下 | 14sq |
| 75A以下 | 22sq |
| 100A以下 | 38sq |
| 150A以下 | 60sq |
単線の場合はどうするんですか?
単線もメーカー仕様書を見るのは同じですが、sqへの換算表を付けておきましょう。円の面積は、πr2 (π : 3.14 r : 半径) 半径×半径×3.14
1.6mmの場合、半径は0.8mm
0.8×0.8×3.14 ≒ 2.01 mm2
という形で換算できますね。
| 単線サイズ[mm] | mm2換算 |
| 0.3 | 0.07 |
| 0.4 | 0.13 |
| 0.5 | 0.20 |
| 0.6 | 0.28 |
| 0.9 | 0.64 |
| 1.2 | 1.13 |
| 1.6 | 2.01 |
| 2.0 | 3.14 |
| 2.3 | 4.15 |
| 2.6 | 5.31 |
(小数点2桁まで表示)
AWGとSQについて
AWG(エー・ダブリュー・ジー) : アメリカの電線規格で、数字が小さいほど太い電線を表す。
American Wire Gauge アメリカンワイヤーゲージの略です。
コネクタでの接続時など、AWG表記になっていることは多々あります。
(下表は目安です。 規格が異なるため完全一致ではありません)
| AWG | SQ [mm2 ]換算 |
| 30 | 0.05 |
| 28 | 0.08 |
| 26 | 0.12 |
| 24 | 0.2 |
| 22 | 0.3 |
| 20 | 0.5 |
| 18 | 0.8 |
| 16 | 1.3 |
| 14 | 2.0 |
| 12 | 3.5 |
| 10 | 5.5 |
数値が小さいほど、太いっていうのが感覚的に合わない感じですね。
暗記はできないので、”逆”っていうことを覚えておきます。
電線の選定で注意する(意識しておく)ポイント
まずは、ケーブルの基本的な特性として
- ケーブルの許容電流は、ケーブル種類、芯線数、布設方法、温度条件等により異なってくる。
- ケーブルが細いほど、長いほど、抵抗値は大きくなり電圧降下に注意が必要となる。
- ケーブルに流れる電流が大きいほど、発熱が大きくなる。
- ケーブルに流れる電流が大きいほど、電圧降下が大きくなる。
- 同一配管内のケーブル本数が増えれば、許容電流は下がる。
それを踏まえて
- ケーブルメーカの仕様を確認し、余裕を持ったケーブルを選定する。
- 既設配管内にケーブルを通す場合には、物理的に線が通るかを確認する。(ケーブル仕様書にて外径を確認)
- 配管を新設の場合には、ケーブル外形、布設する本数に合わせ、配管径を選定する必要がある。(配管占有率)
- ブレーカへの接続時は、ブレーカのアンペア数で接続ケーブルの太さを選定する。
・・・色々な事を考えて設計する必要があるんですね。ブレーカへ接続する場合に、機器の消費電流だけを考えてケーブルを選んだらいけないんですね。
これは電気工事士の問題でも出てきますね。ブレーカは安全のために所定の電流値で断となります。ブレーカが断する前に、ケーブルが燃えてしまったら元も子もないですよね。
著者の体験談 : ケーブル自体を燃やしてしまったという経験はさすがにありませんが、ユニバーサル基板で回路を制作し、回路を誤って抵抗を燃やしてしまったり、ヒューズを飛ばしてしまったり、社内でAC100Vを誤ってショートさせてブレーカを飛ばしてしまったり・・という経験はあります。失敗が良いことではもちろんありませんが、失敗して部品を燃やしたり、ブレーカを飛ばしたりという体験はやってしまった者しか得られないものです。命を失うような失敗は絶対にしてはいけないですが、ある程度の失敗をして身を持って知る。AIに聞けば、失敗しないような手立てを事前に教えてくれる時代ですが、失敗したからこそ得られるものは必ずあると思います。


ワイヤレス充電は一般的になってきましたが、大きな電力のやりとりは基本的にコードやケーブルがないと成り立ちません。あまり意識することもないかと思いますが、身近な所にはコードが溢れています。ではケーブルはどこにあるでしょう。壁の中の配線は見えませんが、コンセント、照明などへケーブルによって電気が供給されて便利に暮らせるようになっています。






