普段何気なく暮らしていると気にもしないけど、この日本には数多くの法律があります。無線の電波でいけば、”電波法”という法律があります。電気に関してももちろん法律が存在します。なぜ法律が必要なのでしょうか、特に人の命や生活、財産に影響を及ぼすものは法律が整備されていますよね。電気の場合はどうでしょう。
電気設備に関係する法令等

電気事業法(法律)
電気事業法 第一章 総則 第一条 この法律は、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによつて、電気の使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによつて、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図ることを目的とする。(法の一部を記載)
電気の使用者としては、電気を安全に、安定して供給してもらう必要がありますね。そのために、電気事業者(一般的には電力会社)は、電気工作物(発電・変電・送配電や受電設備)の工事・維持・運用における保安(安全確保)を適切に行ってもらう必要があります。
電気設備に関する技術基準を定める省令(省令)
電気設備に関する技術基準を定める省令(省令)第一章 総則 第三節 保安原則 第一款 感電、火災等の防止 第四条 電気設備は、感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないように施設しなければならない。(省令の一部を記載)
電気設備が満たすべき「安全上の性能要件」を規定しています。
「感電や火災を防ぐこと」などを満たすために、行うべきこと(◯◯しなければならない)、行ってはいけないこと(◯◯してはならない)などが規定されています。
省令を補完するものとして、電気設備の技術基準の解釈があります。
内線規定(民間基準)
屋内配線などの具体的な設計・施工のバイブルです。前述の省令や解釈を実務上どのように満たせばよいかを、具体的な数値や工事方法として分かりやすく示しています。法的な強制力はありませんが、実務では事実上の業界標準規格です。
結果として、内線規定を見れば問題ないってことですかね。
内線規定は主に低圧の屋内配線など、電気工事士が行う業務を中心に書かれていますので、発電所、変電所、送配電線等、カバー出来ない範囲も多くなります。電気工事士にとっては非常に重要な規定なので真っ先に覚える(確認できる状態にしておく)必要がありますが、それだけでは不完全と言えます。(かといって法令、省令をすべて覚えるのは至難の業ですけどね)
電線の太さや許容電流の選定はどうする?
電線の太さの選定や、配線工事の方法について確認したい場合は、前述した3つの階層のうち 「内線規定」 を見るのが最も実務的です。
但し、初心者の方は電気工事士のテキストからスタートし、その後に内線規定を確認する流れをお勧めします。
電線の太さの選定を確認する場合
- 許容電流: 電線は流れる電流によって発熱するため、その電線が安全に流せる最大の電流値を確認する。
- 電圧降下: 電線の抵抗によって電圧が降下する。
- 機械的強度: 電線自体が自重や外力に耐えられる最小の太さ。
電線の許容電流を超えたらどうなりますか?
電流が流れるほど、熱を持つんでしたよね。熱によって電線が切れたり、最悪、火災になったりします。
そうですね。電流を考えて電線を選定する必要があります。では、電圧降下はどうでしょう。
電流を考えるだけでは駄目なんですか?
電線には抵抗があり、電線をの伸ばせば伸ばすほど、電圧が下がっていきます。例として、100Vでスタートしても、途中で99,98,97V・・・と段々下がっていくイメージです。
電線が細くて抵抗値が大きいほど、流す電流が大きいほど電圧降下は大きくなります。(計算式もありますがここでは省略します)
電線の布設距離によっては、許容電流だけでなく、電圧降下も合わせて考える必要がある点は覚えておいてください。現場で電線を200m布設して100V動作する機器を繋ぎました、電圧降下で機器の入力で80Vしかなく機器が動作しませんでした・・・では目も当てられません。
管路からやり直しになったらと思うと恐ろしいですよね、材料費もさることならがら、出戻り作業による人件費の発生、全体的な工程の遅れなど非常に大きな損失が発生してしまいます。
設計ってとても大事なんですね。
電線の配線方法を確認する場合
- 配線方法の種類: 合成樹脂管工事、金属管工事、ライティングダクト工事など。
- 施工上の注意: 管に入れる場合の電線の断面積の割合(総断面積が管の30%以下など)、支持する間隔、他のケーブルとの離隔距離など。
こちらも、内線規定より先に、電気工事士のテキストで覚えるのがよいですね。
そもそも論として、危険が伴う作業には免許が必要です。医師、電気工事、車の運転、etc。しっかりとした知識と技能をもった人が作業をする必要があります。
だから人々が安心、安全で暮らせる世の中になっているんですね。


著者の体験談 : 電力会社の電柱から、据付予定の機器や局舎の設置場所まで距離が離れており管路を作ってケーブルを布設するのは通信工事では一般的です。例えば新しくCCTVカメラを設置する場合には、通信線と電源線が必要になります。映したいものを基準にカメラ支柱の位置が決まるとして、光ケーブルなどの通信線、電柱からの引き込み線をどう支柱まで布設するか。発注段階でしっかりと設計されていればよいのですが、なぜか適当になっているケースもあります。電柱からDV線を架空で直接布設すると民地を跨ぐから駄目じゃんとか、あからさまに電柱からの距離が遠いにもかかわらず中継用の柱が設計に入ってないじゃんとか・・・。仕事は段取り8分、仕事2分と言われます。現場経験者ほどこの言葉の意味が身にしみて分かっていると思います。設計は段取りです。しっかりと現場の事を考えた設計をしましょうね。机上でなくて現地・現物 、コンサル(設計)会社の皆様、どうぞよろしくお願いします(笑


法律の文章って分かりづらいって思いませんか、電気通信系の資格には必ずといっていいほど法規があります。単純に覚えればいいので点数が取りやすい、でも法規を覚えるが一番苦痛だったりします。これ、回りくどい表現だな・・全部、図やフローで表せばいいじゃん・・・といつも思います・・・ので気が向いたら作るかもしれません。







