この長い階段を登った先に私の目指すゴールがある。ゴールまではどのくらいのスパンかな。そして、今はどのフェーズだろう。一歩ずつ着実にステップを踏んで進んでいこう。この階段はフローチャートのように色々な所で分岐しているけど、この先の選択は正しいはず。このタイミングを逃しはしない。もう少しで重要なステージにたどり着くはずだから。
フェーズ Phase : 位相、段階? 同じ言葉で違う意味
技術的な説明では分野に限定した用語が多々あるのですが、今回はビジネス全般で技術者が使用する用語を説明しましょう。
今後は、今回説明する用語をつかっての解説も増えると思いますので。
例えば、フェーズ : Phaseという言葉は聞いたことありますか? 電気や通信の世界では位相のことをPhaseという同じ単語で表すのですが、その他でも使います。
フェーズって聞いたことはあるけど、順序のことかな?
正解に思えますが、ちょっと違います。日本語でもそうですが、同じ言葉で複数の意味がありますよね。ということで、フェーズの他、技術者が使う用語を整理しましょう。
技術者が使うビジネス用語20選
分類ごとに整理して並べましたので参考にしてください。
大きな枠組みや流れを表す用語
| プロジェクト (project) | 特定の目的を達成するために、期限を決めて行われる一連の計画的な活動。 | |
| タイムライン (Timeline) | 大きな視点での「時間の流れ」を指し、長期的・俯瞰的な見方。 例 : タイムラインでは、来週に製造フェーズに入る予定です。 | |
| ロジック (logic) | どのような論理で動くかという処理の組み立てとしての総称。 例 : このシステムのロジックを理解しよう(動作の流れ) | |
計画や予定を表す用語
| スキーム(Scheme) | 全体像や「どういう仕組みで動かすか」という大きな構造に重点を置いた計画。(俯瞰的) 人、組織、資金、ルールなど複数の要素が絡み合う大きな枠組みを表します。 例 : プロジェクトAに関して、まずは人員配置や予算等のスキームを決めよう | |
| プラン(Plan) | 目的を達成するために「いつ、誰が、何をするか」という具体的な行動手順に重点を置いた計画。(実践的) | |
| スケジュール(Schedule) | 時間軸(年月日)に沿った、計画・予定(表) | |
区切りや期間を表す用語
| フェーズ (Phase) | 大きな区切りや範囲。段階的に構成され規模感が大きい。 1つのフェーズが完了したら次のフェーズに進むといった工程上の大きな区切り。 例 : 開発フェーズ、製造フェーズ | |
| ステージ (Stage) | フェーズに近いが、段階的な状態を指すことが多い。 状態の変化に主眼を置いた区切り。 例 : 次は最終のテストステージに進もう | |
| マイルストーン (Milestone) | プロジェクトの重要な節目、重要なポイント。 工程の進捗を確認する「地点」のこと。期間ではなく「地点」。 例 : 耐久試験の通過が最大のマイルストーンだ | |
一連の流れを表す用語
| プロセス (Process) | 特定の結果を得るための一連の流れ。 入力から出力までの仕組み全体。業務の具体的な作業の進め方。 例 : 業務プロセスを整理しよう | |
| フロー (Flow) | 物事が流れる経路を詳細に示す。 条件分岐などを含めた図式的な流れ。 例 : 電気設備点検を安全に行う為、停電〜作業〜復電までの作業のフローを作成しよう。 | |
| ワークフロー (Workflow) | 申請、承認、決済を伴う業務や作業の一連の流れ。 誰が何を承認し、次に誰に回るかという流れ。 例 : この書類はワークフローに従って承認をとってください。 | |
手順や動作を表す用語
| ステップ (Step) | 階段を一段ずつ登るような、具体的な手順を指す。 手順の最小単位に近い。 例 : ステップ2まで終わりましたね。ではステップ3の電源投入作業を行ってください | |
| タスク(Task) | 具体的な作業。一人の担当者が、数時間から数日程度で完了できる最小単位の作業を指すことが多い。期間長くなるものは細かなタスクに分割する。 例 : 来週行うタスクを整理しよう | |
| プロシージャ (Procedure) | あらかじめ決められた規定の手続き、マニュアル化された決まったやり方。 例 : このタスクは重要だからプロシージャ通りに行ってください。 | |
時間軸における順序やタイミングを表す用語
| シーケンス (Sequence) | 実行される並び順。 前後関係や時系列が重視される。 例 : 装置の起動シーケンスの途中で問題が発生しました | |
| タイミング (Timing) | いつそれを行うかという特定の瞬間。 時間の点(ポイント)に焦点。 例 : 装置の電源を入れるタイミングは責任者の指示に従ってください | |
時間の間隔や持続時間を表す用語
| インターバル(Interval) | 出来事と出来事の間隔や時間的な隙間のこと。 次の作業までどれくらい空けるかという隙間に注目します。 | |
| サイクル (Cycle) | 周期的に繰り返される一連の工程。 例:この装置のメンテナンスサイクルは1年に1回です。 | |
| デュレーション (Duration) | ある状態が続いている持続時間や継続期間。 その作業に何時間かかるかという長さに注目します。 | |
すべての用語は網羅していませんが、図解化してみました。


フェーズ、プロセスなど会話で使ってみる
では、これらの用語を使って仕事中の会話を模擬してみましょう。
私まだ働いたことありませんよ!
これ台本なのでよろしくお願いします。私が現場の監督をしますので、作業責任者をお願いします。
いきなり責任者ですか!?
物語:装置の更新工事(プロジェクト)
「今回の工事の監督は私が担当者することになりました。まずは人員配置等のスキーム(大枠の計画)を考えた後、具体なプラン(計画)をスケジュール(工程表)に落とし込みます。現場の作業責任者は奏さんに行ってもらいますのでよろしくお願いします。」
「承知しました!」
シーン1 : 準備段階 場所 : 事務所 場面 : 図面の作成段階
「施工図面(ケーブル敷設図)を作成したので確認と承認をお願いします。」
「了解しました。ワークフローに沿って確認、承認を行います。次に行うタスクを確認させてください。」
「次は機器の配線接続図の作成を行います。今日中に仕上げる予定です。」
シーン 2 : 作業前の打ち合わせ 場所 : 事務所 場面 : 机で図面を広げながら
「来週からいよいよ現場作業のフェーズ(段階)に入ります。この工事のスパン(期間)は5日。既設の装置を撤去して新しい装置に入れ替える作業が最大のマイルストーン(重要な節目)になります。よろしくお願いします。」
「了解しました。しっかりと現場の管理を行います。」
シーン3 : 安全と作業の確認 場所 : 工事現場 場面 : KY(危険予知)実施中
「機器及び資材搬入について、搬入プロセスに沿って行います。特に今回の作業車による機器搬入は作業フローを確認しながら慎重に行います。
「安全確認のステップを一つでも飛ばすと、重大事故に繋がるから注意して作業して下さい」
シーン4 : 装置の結線作業と起動 場所 : 工事現場 場面 : 装置の前
「接続図をしっかりと見て、接続のタスク(作業)を行ってください。接続後の確認も忘れずに。」その次ステップは電源の投入です。
「監督、装置を起動しましたが、アラームが出ています。起動シーケンスの途中に問題があり、通信が確立できていないようです。」
「ネットワークコマンドで相手先の装置まで疎通があるか確認してください。」
「わかりました。このトラブルを早期に解決して最終の試験調整ステージに進みたいですね」
シーン5 : 試験調整 場所 : 工事現場 場面 : 装置の前
今からデータの送信の試験を行います。データ送信のインターバル(間隔)は5 分。試験のデュレーション(持続時間)は3時間です。
「了解です。この試験が問題なく終われば現場での作業は完了ですね」
シーン6 : 作業完了
お疲れ様でした。おかげさまで無事に工事を終えることができました。
私って仕事のできる人間だったんですね。
・・・しっかりと受け答えができていましたね。今回のような用語を必ずしも使う必要はないのですが、出てくる場面も多いと思います。(どの用語をどこまで使うかは企業によっても変わってきます)
難しい言葉を使うことは重要ではありません。“相手に伝わること”が最重要ですのでその点には注意してくださいね。
伝える(一方通行)ことと、伝わる(相手が理解する)ことは違うと言うけど。ちゃんと伝わったかな・・・


ようやく長い階段(プロジェクト)を登りきった。色々と問題も多くてつらい思いもしたけれど、それを乗り越えたからこの景色が見れたんだよね・・・。でもその景色は一時的なものであることも知っている。すぐに目の前にまた階段が現れるんだ。今度はどんな階段だろう・・・そしてまた次の一歩を踏み出す。

