日本にはとても覚えきれないほどの法律や省令、条例がある。電波法もその中の一つ。法律や裁判の象徴として「天秤」が用いられるのは、主にギリシャ神話やローマ神話に登場する女神たちの姿に由来しています。正義の女神「テミス」と「ユスティティア」審判を下す彼女たちが手に持っている天秤は、善悪どちらに傾くのか。
電波法と総務省令(無線設備規則)
電波は公共のもので、ルール(法律)を守って使用しなければ
なりません。
電波に関しては、電波法という法律があり、守られければならないルールが示されています。具体的にどうすればよいかという細則は総務省令に定められていますので、セットで確認する必要があります。


法律と省令は全国に適用されます。他、各地方自治体の条例もあり、こちらは条例を定めた自治体の地域のみに適用されます。
電波に関係する条例って何かあるんですか?
携帯電話基地局の設置に関する条例(基地局設置にあたり住民への事前説明の義務)や高層建築物によるテレビ受信障害を未然に防止するための条例などがあります。
無線機測定に関係する電波法と無線設備規則
電波法や無線設備規則には非常に多くの内容が記載されています。ここでは、無線機の測定に関係する法律と総務省令(無線設備規則)について記載します。
電波の質(電波法 第二十八条)
- 送信設備に使用する電波の周波数の偏差及び幅、高調波の強度等電波の質は、総務省令で定めるところに適合するものでなければならない。
総務省令の該当箇所が以下になります。無線設備(周波数帯域)により求められる値が変わってきますので、別表にまとめられています。ここでは別表は割愛します。
周波数の許容偏差(無線設備規則 第五条)
- 送信設備に使用する電波の周波数の許容偏差は、別表第一号に定めるとおりとする。
占有周波数帯幅の許容値(無線設備規則 第六条)
- 発射電波に許容される占有周波数帯幅の値は、別表第二号に定めるとおりとする。
スプリアス発射又は不要発射の強度の許容値(無線設備規則 第七条)
- スプリアス発射又は不要発射の強度の許容値は、別表第三号に定めるとおりとする。
空中線電力(電波法 第五十四条)
- 無線局を運用する場合においては、空中線電力は、次の各号の定めるところによらなければならない。ただし、遭難通信については、この限りでない。
- 一 免許状等に記載されたものの範囲内であること。
- 二 通信を行うため必要最小のものであること。
電波の質って何?
電波の質ってよくわからないんですけど…
「電波の質」とは、送信される電波が決められた特性を維持しているかを指します。大きくは以下の3要素となります。
① 周波数の許容偏差(電波の周波数の偏差)
送信電波の中心周波数が、許容範囲内かを確認します。
② 占有周波数帯幅(OBW: Occupied Bandwidth)(電波の周波数の幅)
電波がエネルギーを放出している帯域の広さです。
全エネルギーの99%が含まれる帯域幅を測定し、法的に許容された幅(例:8.5kHz以内など)に収まっているかを確認します。
③ スプリアス発射・不要発射(高調波の強度)
本来の通信に必要な帯域の外側に漏れ出る不要な電波の強度です。
帯域外領域: 占有帯域のすぐ外側への漏れ。
スプリアス領域: 高調波(2倍波、3倍波など)のように、中心周波数から大きく離れた不要成分。
これらが規定値(例:25μW以下、または基本波より66dB以上低いことなど)以下であるかをチェックします。
飛ばす電波の質が悪いと(基準の値からずれると)他の電波の迷惑になる(妨害)のでしっかりと基準を守ってね ということになります。
重要な電波を妨害したら、大問題ですよね!
そうですね。その他としては以下のようなものもあります。
最大周波数偏移(FMの場合)や変調度(AMの場合)が過剰になり、隣接チャンネルに漏洩していないかを確認します。
隣接チャネル漏洩電力
デジタル無線などで、隣のチャンネルにどれだけ電力が漏れているかを確認します。
誰でもできるって訳ではなさそうですね。
無線設備の技術操作(調整等)は、無線従事者でないと行えません。無線設備も様々ですので、数多くの無線従事者の資格が存在します。無線従事者は免許制です。資格試験に合格して取得するのが一般的です。
無線従事者になろうとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。(電波法 第四十一条)
頑張って覚えます。


多くの正義の女神(像)は、天秤だけでなく「目隠し」と「剣」をセットで持っています。天秤で公平な判断をし、目隠しで貧富、身分、容姿などに惑わされず法的な事実のみを見て、剣で判断を執行する。現代の”剣”は、罰則、罰金など。女神の天秤が大きく傾いた。女神の右手に持つものは…








