テレビとテレビ端子はどんなケーブルで接続していますか? この接続ケーブルを同軸ケーブルといいます。電気のコンセントにつなぐコードとはちょっと形状が違いますよね。それはなぜでしょう、気にしたことはありますか? 鉄塔の携帯電話や無線電話等のアンテナへの接続にも使用されていますよ、なぜでしょうね。
無線機やテレビの接続では同軸ケーブルを使用する

無線機の接続の例です。無線機とアンテナや測定器の間は同軸ケーブルを使用して接続しています。なぜでしょう? テレビとテレビコンセントの間も同軸ケーブルで接続されていますよ。
電気のコードみたいな線だとだめな理由があるんですよね。わかりません。
同軸ケーブルは高周波で使用される
同軸ケーブルは高周波で使用されます。無線機は高周波の電波を送受信しますし、テレビも電波を受信します。
なぜ、高周波で同軸ケーブルを使う必要があるか理由の前に、構造を見てみましょう。


内部導体と外部導体の間に絶縁体があり、シース(外皮)で覆われている構造になっています。同軸ケーブルには色々な種類があり、呼び名があります。代表で次のケーブルで説明します。
同軸ケーブルの型名と解説
例 5D-2V 同軸ケーブル
- 5 : 絶縁体外径 (数字が大きいほど太いケーブル) ※外皮の径でない。
- D : 特性インピーダンス記号 (D : 50Ω C : 75Ω) 50Ω : 無線機 /75Ω : テレビ
- 2 : 絶縁体記号 (2 : PE充実絶縁、QE : ポリエチレン など)
- V : 外部導体・シースなどの形状記号 (V : 1重編組・ビニール W : 2重編組・ビニールなど
大きな点として、業務用の無線機で使用される同軸ケーブルとテレビで使用される同軸ケーブルは異なります。
同軸ケーブルは使用する周波数にも注意が必要です。例えば、テレビにて衛星放送など高い周波数に対応するには相応のケーブルが必要になります。例 S-5C-FB など
特性インピーダンスってなんですか?
特性インピーダンス 50Ωや75Ωってなんだろう


インピーダンスは交流の抵抗です。コンデンサやインダクタの成分が関係してきます。以前の回で、送り側と受け側のインピーダンスが一致した時にもっとも効率よく電力が渡せるという解説(計算)をしました。
実はこれは途中の伝送路にも同じことが言えます。送り側、伝送路、受け側のインピーダンスがすべて統一されることにより、最も効率の良い電力の伝送が可能になります。逆にインピーダンスの合わないケーブルでは効率よく伝送できず(特に高周波では)実用に耐えません。だから同軸ケーブルが使用されている。これが答えですね。
同軸ケーブルの50Ωは、交流的に50Ωの特性をもっているケーブルになります。
同軸ケーブルは、どこで切っても交流的に50Ωや75Ωのインピーダンスを持つことになります。イメージとしては金太郎飴で、どこで切っても同じ顔(50Ω)が出てきます。
なぜ電線が交流の抵抗を持つんですか?
コンデンサは二枚の電極の間に電気が溜まる構造ですよね。同軸ケーブルも同じように内部と外部導体でコンデンサの働きが発生します。また導体に電流が流れると磁界が発生します。(直線的な導体であっても、電流が流れる限り必ずインダクタンスを持ちます。インダクタ(コイル)は線をぐるぐる巻きにしているイメージが強いですが、これは巻くことで磁界を強くしている為です)
このコンデンサとインダクタ成分が絶妙にバランスされて、50Ωや75Ωの特性インピーダンスのケーブルが作られています。
ケーブルが長くなれば損失(ロス)が増える
交流的には50Ωや75Ωの特性を持ち、効率よく電力を伝送できますが、導線を伝っていきますので損失は発生します。勘違いしないようにしましょう。
質問です。太いケーブルと細いケーブルではどちらが損失が大きいですか?
ケーブルが細いほうが通っていく道が狭いので、損失が大きいと思います。
正解です。ケーブルを通ると損失が出るということは、ケーブルが長いほど損失が増えるということになります。実際の設備ではこのケーブル損失も考慮して計算、ケーブルの選定が行われています。


例えば、通信鉄塔のアンテナまでケーブルを敷設する場合、かなり長い距離になり損失も大きいです。この為、損失が少なくなるよう低損失同軸ケーブル(例 WF-H50)や導波管といった物も使用されています。
同軸ケーブルに限らず、ケーブルは目的と用途に合ったものを使用するのが大前提になります。
わかりました。気をつけます。


通信鉄塔を意識して見ることはないし、ケーブルを気にすることもないと思うけど、実際にはそれらが私達の便利で豊かな暮らしを支えている。山の上にある送信所や中継所、登って作業するだけで大変だけど、そうした人達が私達の暮らしを支えてくれているんだよね。大変かもしれないけど、作業は悪いものでもない。そこに登れた人だけが見える景色がある。








